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ベトナムの魅力

ベトナム進出の代表的な理由として挙げられるのは下記の4点ではないでしょうか。 1.安価で優秀な労働力の確保が容易である 2.政治的に安定している 3.対日感情が良好である 4.国内市場の成長が期待できる 以下で、それぞれの項目について詳しく述べていきたいと思います。

安価で優秀な労働力の確保が容易である

ベトナム人の優秀さは、既進出企業が概ね認めるところではないでしょうか。 識字率は95%を超えており、まじめで向上心が高く、技術の習得も早い、単純作業であっても集中してこなす事ができるなど、生産性の高い人材を確保する事ができます。 人材の優秀さという点では、ベトナムの魅力が薄れる事はあまり考える必要がないと思われます。 しかし、賃金の面では少しずつですが状況が変わりつつあります。 ハノイやホーチミンの法定最低賃金は55USDですから、その部分だけを見ると日本企業が進出しているアジア域内の他都市と比べても、かなり安価ということになりますが、実際に法定最低賃金ぎりぎりで人材を雇用している企業はなく、物価の上昇率にあわせたベースアップも毎年実施されています。 地域による差も大きくワーカークラスの賃金で見ると、南部ホーチミンは約110USD~180USD、中部ダナンの約45USD~50USDと比べると倍以上という報告もあります。

政治的に安定している

 ベトナムは皆さんもご存知のとおり、共産党が一党制で指導する社会主義国家です。 党内の指導体制は地域バランスを配慮された人事がなされており、権力がうまく分散しているといえます。中部高原の少数民族の反政府運動が、ときおり伝えられる事もありますが、基本的に社会は安定しています。 社会的な安定は治安の良さにも表れています。 ひったくりなどの軽犯罪程度はありますが、ハノイ、ホーチミンともに夜中に一人で歩いていても危険を感じる事は殆どありません。 テロの危険性もなく、宗教、民族間の対立もありません。

対日感情が良好である

日本はベトナムにとって最大のODA供与国であり、最重要関係国の一つです。 日本の援助によって整備された国道や電力設備などはベトナムの工業の発展を支えているといっても良いでしょう。 さらに、日本企業の直接投資額を実行率で見た場合に台湾、韓国を大きく上回る70%の実行率が、ベトナム政府からの厚い信頼を得ています。 また、ベトナム人は、中国、韓国とは違い、個人レベルでも日本人に好印象を抱いてくれているようです。

国内市場の成長が期待できる

ベトナムは若い国とよく言われますが実際に人口の70%を30歳以下の人が占めています。 この若い世代に消費文化が浸透し、高級品志向、ブランド志向を生み出しています。 経済成長率も2005年には8%を超え、安定した成長を維持し続けています。 消費を担う若い世代が多い人口構成、好調に推移する経済という今のベトナムの状況は、1960年代の日本とよく似ているとも言われています。 ベトナムの市場規模は、今後も拡大を続けていくものと期待されています。

ベトナムの課題

次に、ベトナムの課題とされる点をあげてみましょう。

  1. インフラが未整備である
  2. 裾野産業が未発達である
  3. 法制度が未整備で透明性に欠ける

インフラが未整備である

まだまだ改善の余地はあるものの、工業団地に限っていえば徐々に整備がすすめられています。 外資系工業団地に入居している企業であれば、電力、通信などの設備に関して、操業上支障があるところはほとんどないと考えられますが、そのため入居を希望する企業が多く、賃貸料もかなり高額で設定されています。 賃貸料が、安価で設定されているベトナムローカルの工業団地では、まだ電力供給が不安定なところも多いようです。  物流インフラについては、北部・中部・南部それぞれの港湾整備が進行中で、2006年に全線開通した第一東西回廊をはじめとして道路網も徐々に整備されつつあります。  しかし、都市部以外の道路は整備が遅れており、物流コストがかさむという問題はまだ完全に解決される見通しは立っていません。

裾野産業が未発達である

ベトナム国内での部品、原材料調達が困難である事はベトナムに進出している、ほぼ全ての企業が実感しているのではないでしょうか。 日本企業が求める技術を有する技術者の不足というのも一因ではありますが、納期に対しての認識の甘さというのもベトナム企業の大きな問題です。 品質改善と納期の厳守にはベトナム企業の更なる改善努力が求められています。

法制度が未整備で透明性に欠ける

ベトナム政府の関係者側の意識改革もかなり進んだといえますが、突然の法改正、法改正後の周知徹底が不完全な事など、この面が改善されるのはまだ先のことと言えるでしょう。 対応する人によってまったく違う回答が返ってくるというのは、日本ではあまり考えられないことですが、ベトナムの役所では法に対する解釈が人それぞれ違っているということがよく見られます。 さらに、悪しき習慣として賄賂が深く根付いているという点も日本人にとっては、透明性にかけるという印象を与えます。

以上にあげた、ベトナムの魅力が突然うすれたり、問題点としてあげたものが劇的に改善されたりということは考えがたいですが、ベトナムの経済、社会の変貌は目覚しいものがありますので、常に最新の動向に注意を払うことが必要と思われます。


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