外資系企業にはベトナム政府より、法人所得税の優遇制度や付加価値税の優遇制度など、さまざまな投資インセンティブが与えられています。 優遇対象となる投資分野、投資地域、優遇を受けられる期間などは共通投資法の施行細則、及びその付録などに記載されています。 以下に優遇措置が受けられる条件、期間などをまとめておきたいと思います。

法人税の優遇制度

外資系企業は、次の条件のうちのいずれかひとつを満たす場合に、法人所得税の優遇が受けられます。

  1. 共通投資法の施行細則に記載された優遇分野への投資
  2. 法律で禁止されていない分野への投資で、年間の平均労働者の数が次の条件を満たすもの
  • 都市部クラス1、2は100人以上
  • 社会的・経済的条件が困難な都市、社会的・経済的な条件が特別に困難な都市は20人以上
  • その他の地域50人以上
  • 税率 28%
    • 適用基準 全ての外資系企業
    • 適用期間 全期間
    • 免除期間 課税所得発生後2年間
    • 50%減免期間
      • 免除期間終了から2年間適用される場合
  1. 新規設立の企業
  2. 都市部から郊外へ移転した既存の企業
    • 免除期間終了から3年間適用される場合
  3. 100人以上の従業員を雇用している都市部クラス1 、2 の企業
  4. 20人以上の従業員を雇用している所在地リストB またはC の企業
  5. 50人以上の従業員を雇用しているその他の所在地の企業
  • 税率 20%
    • 適用基準 投資奨励分野に該当する外資系企業
    • 適用期間 営業開始から10年間
    • 免除期間 課税所得発生後2年間
    • 50%減免期間
      • 免除期間終了から3年間適用される場合
  1. 下記に合致しない企業
    • 免除期間終了から5年間適用される場合
  2. 100人以上の従業員を雇用している都市部クラス1,2の企業
  3. 20人以上の従業員を雇用している所在地リストB またはC の企業
  4. 50人以上の従業員を雇用しているその他所在地の企業
  • 税率 20%
    • 適用基準 投資優遇地域に投資する外資系企業
    • 適用期間 営業開始から10年間
    • 免除期間 課税所得発生後2年間
    • 50%減免期間
      • 免除期間終了から6年間適用される場合
  1. 新規設立の企業
  2. 都市部から郊外へ移転した既存の企業
  • 税率 15%
    • 適用基準 投資奨励分野に該当し、投資優遇地域に投資する外資系企業
    • 適用期間 営業開始から12年間
    • 免除期間 課税所得発生後3年間
    • 50%減免期間
      • 免除期間終了から7年間適用される場合
  1. 下記に合致しない企業
  • 免除期間終了から8年間適用される場合
  1. 20人以上の従業員を雇用する企業
  • 免除期間終了から9年間適用される場合
  1. 20人以上の従業員を雇用している企業のうち、従業員の30%以上が少数民族出身者である場合
  • 税率 15%
    • 適用基準 特別投資優遇地域に投資する外資系企業
    • 適用期間 営業開始から12年間
    • 免除期間 課税所得発生後2年間
    • 50%減免期間
      • 免除期間終了から8年間適用される場合
  1. 新規設立の企業
  2. 所在地リストC 記載の所在地に移転された既存の企業
  • 税率10%
    • 適用基準 投資奨励分野に該当する外資系企業
    • 適用期間 営業開始から15年間
    • 免除期間 課税所得が発生してから4年間
    • 50%減免期間
      • 免除期間終了から7年間適用される場合
  1. 下記に合致しない企業
  • 免除期間終了から8年間適用される場合
  1. 20人以上の従業員を雇用する企業
  • 免除期間終了から9年間適用される場合
  1. 20人以上の従業員を雇用している企業のうち、従業員の30%以上が少数民族出身者である場合

※投資奨励分野、投資優遇地域(所在地リスト)などは共通投資法の施行細則に記載されています。

工業団地、輸出加工区、経済区に進出する企業に対しては、法人所得税の施行細則により、上記とは別の減免措置が追加されましたが、ハイテク工業団地については、首相により優遇税率が決定されます。

輸出入関税の優遇措置

共通投資法に定められた輸出入関税の規定では、ベトナムでのプロジェクト実施の為に必要な材料、運送機械などは、輸入関税を免除されるとなっています。 一般的に、輸出入品はすべて関税の対象となり、消費財、特に贅沢品の輸入関税は高く設定されていますが、資本財や原料、特にベトナムにおいて生産されていない物の税率は低く設定されているか、免除されています。 以下のいずれかの条件に当てはまる場合は輸出入関税が免除となります。

  • 外資系企業の固定資産形成のためのプロジェクト実施・拡大、技術の導入・更新の為に輸入される設備、機械および前述の設備、機械の部品、付属品
  • 製造ライン設備・機械を製作するため、あるいは設備・機械を製作するための部品
  • ベトナム国内で生産されていない建設資材
  • BOT,BTO,BTプロジェクトの実施のために輸入される原材料、物品。農林水産プロジェクトの実施の為に輸入される種、植物、特別な農業用化学品
  • 首相によって決定された、投資が奨励されるプロジェクトの実施に必要な物
  • 投資奨励事業リストに記載されている事業もしくは投資奨励地域リストの経済的・社会的に特に困難な地域に投資する事業に必要な生産原料、補給品及び組み立て部品 (免除期間は5年間)
  • 輸出用製品生産のための材料、部品、付属品

付加価値税の優遇措置

2004年より発効されている改正付加価値税法によって、ベトナムでは0~10%の付加価値税が課されていますが、改正付加価値税法の施行細則では課税除外品目があげられており、主なものは以下のようになっています。

  • 土地使用権の移転
  • 技術移転
  • ベトナム国内で生産できない建設資材
  • ベトナム国内で生産できない機械、設備および関連部品、輸送用車両

付加価値税については、2010年をめどにした税制改革で最終的に10%に統一される事も検討されています。

〔出所〕 共通投資法および施行細則 改正付加価値税法および施行細則 法人所得税法および施行細則 輸出入関税法


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